完璧主義をやめて生産性を上げよう

「なかなか仕事が終わらない」「業務効率が上がらない」と悩んでいる人の中には、“完璧”にこだわるあまり、仕事を頑張りすぎてしまっている人も多いのではないでしょうか?

今回は、日本人が陥りがちな「完璧主義」を見直し、生産性を上げる方法について考えます。

完璧主義が仕事を遅くする

昔から日本人には完璧主義が多いといわれ、細部まで行き届いた気遣いが生む「おもてなし」の心や、妥協を許さない職人の仕事によって、世界に誇るメイドインジャパンの品質が保たれてきたのだと思います。
これは日本人の美徳でもありますが、完璧にこだわるあまり業務効率が低下してしまうというマイナス面を持っていることも事実です。

かくいう筆者も完璧主義の気があり、こういった文章を書く際にも細かい言い回しが気になって、なかなか最後まで書き上げられないことが多々あります。
これを読んでいる人の中にも「完璧に仕上げなきゃ」「ミスがないようにしなきゃ」と何度も確認を繰り返し、必要以上に仕事に時間をかけすぎてしまう人もいるのではないでしょうか?

しかし、よく考えてみてください。
学生時代の試験とは違い、ほとんどの仕事には「完璧」と言えるゴールなどありません。どんなに頑張ったところで、そもそも存在しない完璧になど辿り着けるわけがないのです。

「完璧」をやめて生産性を上げる方法

では、完璧主義から抜け出すには一体どうすればいいのでしょうか。

完璧主義をやめるといっても単に手を抜いたり妥協したりするのではなく、重要なのは注力すべきポイントを見極めることです。こうした考え方は、完璧主義に対して「最善主義」といわれています。

最善主義とは、「力の入れどころと抜きどころ(集中する2割)を見極めて、より無駄をなくし、限られた時間で最大の結果を出す」こと。この思考を身につけると、今よりも少ない時間で大きな成果を出すことができる。
過剰な完璧主義は悪影響!?「どんなにがんばっても結果が出ない」から抜け出すヒント | ダ・ヴィンチニュース

これは顧客の2割が全体売上の8割を生むという「パレートの法則(20:80の法則)」にも通じるところがありますが、限られた時間や労力を上手に配分することで無駄を減らし、結果的に生産性を高めることができるのです。

具体的には、以下のような方法があります。

■とにかく最後までやる

完璧主義の人の中には、細部にこだわりすぎてなかなか仕事が進まないという人も多いのではないでしょうか。
しかし、「木を見て森を見ず」ということわざにもあるように、細かい部分に気を取られて全体を見失ってしまっては意味がありません。
効率良く仕事を進めるためには、細部は後で修正することを前提に、まずは粗削りでもいいので最後まで仕上げることが大切です。後から細かい部分を調整する上でも、全体像が見えていた方がより統一感が生まれるでしょう。

■時間制限を作る

完璧にこだわるあまり仕事に時間をかけすぎてしまう人は、最初から時間制限を作るのも一つの手です。
「絶対に〇時までには終わらせる」「〇時間以内に仕上げる」と目標を定め、時間を区切るだけでも効率をより意識して作業できるはずです。

アラームやストップウォッチを使うのもいいですし、TimeCrowdのような時間管理ツールでその日の時間割をあらかじめ作ってみるのもいいかもしれません。

■他人の力を借りる

労力を配分するという点では、他人の力を借りることも時には必要です。
そもそも、「自分にとっての完璧」が「他人が思っている完璧」と同じとは限りません。
苦手な分野がある場合は得意な人に頼ったり、完璧に仕上げる前にあえてラフの状態で誰かに見せてみましょう。
第三者の意見やフィードバックをもらい、多角的な視点を取り入れることでより内容を充実させることができるはずです。

また、「他人」を「別の日の自分」に置き換えてもいいと思います。煮詰まってしまったときは少し時間を置き、頭を一度切り替えてから再び取り掛かることで新しいアイデアがひらめくかもしれません。

さいごに

日本人が陥りやすい完璧主義の罠と、その対策について見てきました。

もちろん仕事へのこだわりを持つのはとても素晴らしいことですが、全ての物事に100%の力を注ぐ必要はありません。
完璧主義から抜け出し、注力すべきポイントを見極めることが生産性の高い働き方につながるのではないでしょうか。

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