法律事務所ならではのTimeCrowdの使い方と活用法とは

GVA法律事務所は、国内のみならず、タイやフィリピンにもオフィスを構え、ベンチャー企業やスタートアップ企業を中心に法務支援を行っている弁護士法人です。

そんなGVA法律事務所のバックオフィス業務を支えているのがTimeCrowd。

 

今回はTimeCrowdを導入し、請求業務の効率化や業務時間の見直しなどを実現した弁護士法人GVA法律事務所の共同代表 小名木 俊太郎様にインタビューを実施。法律事務所ならではのTimeCrowdの使い方や活用方法をお聞きすることができました。

 

代表弁護士 小名木 俊太郎 様

弁護士法人GVA法律事務所 代表弁護士/第二東京弁護士会所属

2016年にGVA法律事務所へ入所、2020年に共同代表に就任。企業法務において幅広いサービスを提供中。信託型ストックオプション、FinTech、EC、M&A・企業買収、IPO支援、人事労務、IT法務、上場企業法務、その他クライアントに応じた法務戦略の構築に従事する。セミナーの講師、執筆実績も多数。

 


 

TimeCrowd導入前の課題

  • タイムチャージ方式の案件の場合、各弁護士の正確な稼働時間を把握する必要があった
  • 各弁護士が「何にどれくらい時間を使っているのか」を見える化したかった

TimeCrowdの導入後の効果

  • タイムチャージ方式の案件で、適正なご請求ができるようになった
  • 各弁護士との1on1時に、TimeCrowdのレポート機能を活用して業務時間の見直しができるようになった

 


 

「ビジネス理解力」が強み。

貴所の事業内容を教えてください。

当所は「世界中の挑戦者を支えるインフラとなる」という理念をもとに、ベンチャー企業やスタートアップ企業を中心にIPO※に至るまで全面的にサポートをしている法律事務所です。

具体的には、事業開始時の適法性リサーチや利用規約の作成、商標権の取得・管理から、もう少し組織が大きくなってきたら内部整理のご相談や就業規則、内部規定の作成をしています。またIPOをする場合には、取締役会や監査役会の議事録作成などを担当し、IPOを実現するサポートをしています。

IPO:企業が上場して、株式を投資家が取引できるようにすること。

 

貴所の事業の強みは何でしょうか。

当所の強みとしては、「ビジネス理解力」が挙げられます。一般的に弁護士の業務は「法律的に違反ですから駄目ですね」というように、法律に関する受け答えにとどまる場合が多いかと思います。

一方、当所の場合は、法律に照らし合わせた受け答えで終わるのではなく「御社のフェーズであれば恐らくこれくらいまでであれば、問題ないかと思います」というように、顧問先様のビジネスを理解した上で最適なご提案をし、会社の意思決定を支えるようなサービスを提供しています。

また、累計サポート社数が2,000社を超えており、これまでの経験に基づいたサポートができる点も当所の強みとして自負しています。

 

貴所は海外にも展開されているのですか?

はい、タイとフィリピンに拠点を持っており、日本企業が東南アジアに進出する際のサポートをさせて頂いています。

タイには2017年に、フィリピンには2019年にオフィスを設立しました。タイオフィスでは現在日本人弁護士を3人、タイ人弁護士を5人雇っているので、タイ国内ではかなり大きな事務所になります。

 

 

稼働時間をより正確に計測するためにTimeCrowdを導入した

TimeCrowdの導入を検討することになった背景や課題について教えて頂けますでしょうか。

2点あります。

1点目は「各弁護士のより正確な稼働時間を把握しておきたい」、2点目は「弁護士が何にどれくらい時間を使っているのかを把握したい」という課題です。

 

1点目の「各弁護士のより正確な稼働時間を把握しておきたい」について、詳しく教えてください。

はい、タイムチャージ方式※の顧問先様が増えてきた中で、各弁護士の稼働時間をより正確に把握する必要性を感じていました。というのも、TimeCrowd導入前は弁護士が個々で稼働時間を計算していたのですが、稼働時間を遠慮して申告する場面も見受けられたんですね。

TimeCrowdを導入した後は、正確な稼働時間を計測できているので、適切なご請求をできるようになりました。

※タイムチャージ方式:弁護士の稼働時間に1時間あたりの単価を掛けて弁護士報酬を算出する方法。

 

以前はどのように稼働時間を測っていたのでしょうか?

今から考えると少し面倒なのですが、スプレッドシートに担当顧問先様と時間を手作業で入力していました。

都度スプレッドシートを開いて、細かい表にその日そのクライアントに何時間稼働したのか入力する、という作業を毎日していました。

 

2つ目の課題「弁護士が何にどれくらい時間を使っているのかを把握したい」について、TimeCrowd導入により課題は改善されましたか?

当所は2020年2月頃からテレワークを始めたのですが、TimeCrowdを導入していたことにより、各弁護士の業務を可視化することができました

また、1on1を実施する際には、TimeCrowdのレポート機能を活用して、業務時間の見直しもできています。

 

具体的にはどのような見直しをしたのでしょうか?

例えば、ある弁護士が法的リサーチ業務に必要以上に時間が掛かっていることがTimeCrowdによって分かりました。どうやら、その弁護士は本質とは関係ないところまで調べていたようだったので「クライアントを待たせないように、適切な範囲のリサーチにとどめましょう」というようなアドバイスをしました。本人も「確かに時間使いすぎですね」と分かってくれたようです。

 

TimeCrowdは、時間の使い方を見直すキッカケになりますよね。

先ほどの法的リサーチ業務に時間が掛かってしまっていた本人も、恐らく調べているときはそんなに時間を気にしていないと思います。普段の業務時間を見える化して、自分の時間の使い方を見直す材料にすることができるというのはTimeCrowdを利用するメリットではないでしょうか。

 

 

「TimeCrowdで記録をつけられていない」ときは、その人のリズムが崩れているシグナル

TimeCrowdはどのような使い方をしていますか?

私含め全弁護士がタイムチャージ方式の案件や内部業務を含め、全業務とTimeCrowdを紐付けて、使用しています。

私としても、各々の弁護士がどれくらい稼働しているのか、内部業務・外部業務に関してどれくらい時間を使っているのかを見ておきたかったという思いがあり、全業務に対してTimeCrowdを使用してもらっています。

 

TimeCrowd導入により業務の中で改善されたことは何でしょうか?

やはり、タイムチャージ方式の案件における稼働時間を正確に計測できるようになったことで、適切なご請求をできるようになったのは大きいです。

あと少し意外だったのですが、TimeCrowdで個々の弁護士の業務を可視化することで、適宜フォローができるようになりました

 

TimeCrowdが弁護士へのフォローに役立っているのですね。

TimeCrowdが何十時間も稼働したまま、もしくはちゃんと記録していない場合は、その人のリズムが何かしら崩れているシグナルかと思っています。精神的に問題があると、なかなかTimeCrowdを使うのは大変ですからね。

TimeCrowdの打刻が乱れていたら、その人は何かしら大変な状況にあるのではないかと思い、適宜フォローするようになりました。

 

TimeCrowdはコミュニケーション面でも活用されているのですね。

はい。あと当所は1on1をやっているので、コミュニケーションの一つとして、TimeCrowdを一緒に見ながら、業務について話すこともあります。

例えば、特定のタスクに多くの業務時間が掛かってしまっている場合には、「何か悩み事がありますか?」と尋ねることもあります。

※1on1:上司と部下が1対1で話し合い、フィードバックなどを行う。

 

請求書発行まで一気通貫で行える

TimeCrowd導入・運用に関して苦労したことなどはありますか?

導入は難しくありませんでしたが、実際に各弁護士にTimeCrowdを使ってもらえるようになるまでは苦労しました。

タイムチャージ方式の案件ではTimeCrowdを使うが、内部業務には使わない、といったケースも当初はあったため、都度TimeCrowdを使用するようにアナウンスをして使ってもらうようにしました。

 

他ツールとの連携はされていますか?

kintone(キントーン)と連携しています。

そして、さらにkintoneがマネーフォワード クラウド請求書に紐付いており、TimeCrowdで時間を計測すれば、請求書発行まで一気通貫でできるような仕組みを整えています。

kintone:サイボウズ株式会社が提供する業務改善プラットフォーム。案件や顧客などを一元管理できる。
マネーフォワード クラウド請求書:株式会社マネーフォワードが提供する請求書作成ソフト。

 

最後に、時間管理ツールの導入検討をしている担当者へ、メッセージをお願いいたします。

TimeCrowdはとてもシンプルツールなので、すごく使いやすいかと思います。

特にテレワークをしている企業は労働時間を管理する義務はあるはずなので、テレワークで誰が何をやっているのか分からない状態よりも、TimeCrowdなど時間管理ツールを導入して、管理に役立てるのも良いかと思います。

 

編集後記

今回は法律事務所ならではのTimeCrowdの使い方を伺うことができました。

また、TimeCrowdを請求業務や業務見直しだけでなく、弁護士の状態を示すシグナルとしても活用されている点が非常に印象的でした。

特にテレワークによって相手の状態が見えづらいという課題をお持ちの方は、TimeCrowdの活用法の1つして参考になったのではないでしょうか。

TimeCrowdは無料で試すことができます。まずはアカウント開設だけでも行ってみてはいかがでしょうか。

取材・ライター:庄子 鮎

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