聞くのは一時の恥だが、聞かぬは一生の恥!「質問」を習慣にしよう!

私は以前ブログで「分からないことを聞く勇気」という記事で、「わからないこと」を質問する大切さについて記載しました。

最近、イギリスの会社に勤めていた時の上司と話す機会があり、この「わからないこと」が聞けなかったころの私自身の話や、質問することの大切さについて話をする機会がありました。

その際、彼がこんなことを言いました。「特に日本人は、聞かないことを美学と思いがちだね。海外では質問することが当たり前だから、僕は、日本のこの風習的なものを異常に感じることがある。本当はわかっていないのに、わかったふりをすることのほうが失礼だと思うけどね。日本のおもてなしや察する気遣いは素晴らしいが、質問することを習慣にするともっとみんな仕事がラクになるのにね。」

彼いわく、日本人でもトップセールスマンや企業家など何かの功績を上げている人には質問することを習慣にできている人が多いとのこと。けれども一般的によく見る風景としては、会議などで「質問はありませんか?」という問いに対して皆が「ありません」と答えるか、率先して質問する人が固定してしまっているという状況でしょう。

しかし、ちゃんと質問をし、不明点を完全になくして事にあたることこそが、生産性を上げ、時間を短縮することだと、改めて彼と話して感じました。

ここでは「質問」することの大切さについて紹介します。

聞くのは一時の恥だが、聞かぬは一生の恥

日本には「聞くのは一時の恥だが、聞かぬは一生の恥」ということわざがありますね。まさにこれは金言と言えるでしょう。聞く、質問すること。それは、ある人にとっては、とても勇気のいることかもしれません。そして、ある人にとっては、とても恥ずかしいことかもしれません。

聞くこと、尋ねることで、質問する相手にどう思われるのか、自分の評価が下がるのではないかと考えてしまうこともあるでしょう。そうして、グルグルと考え込んでしまうと、そのまま1時間、2時間と時間が過ぎてしまうこともあるのではないでしょうか?

しかし、この悩む時間、とてももったいないですよね。この悩む時間のかわりに、5分の質問をすることで解決できれば生産性がグンと上がり、いつもよりも仕事ができると思いませんか?

また、自分なりの解釈で仕事を進めた結果、相手の意向と違い、すべてやり直し。ということもあるでしょう。そうすると、また無駄な時間が費やされてしまいます。そういったことを繰り返していると、いつまでたっても仕事が終わらなくなるのです。

大切なのは、まず「質問」することです。

例えば、あなたが仕事を頼まれたときに、一通りの説明を聞いて自分なりに解釈できたとしましょう。そして、「何か質問ある?」と聞かれたとき「わかりました!大丈夫です」というのが、一般的な流れですね。

しかし、この流れは、海外、特に私が勤めていたイギリスの会社ではNG。「じゃあ、何が分かったの?僕が4つ目に説明したことは何?」と聞かれてしまいます。自分の解釈ができた時点で、相手に「○○と理解したので、△△の方法で進めていきますね」と伝えるのが相手へのマナーなのです。少々、このやり取りはめんどくさい、回りくどいように思えますね。しかし、この会話をおこなうことで、お互いの認識のすり合わせができ、自分の時間も相手の時間も短縮できるのです。

また、その会社では、会議やトレーニングでも、分からない所はちゃんと質問することがマナー。「分かりました!」と答えれば、溢れんばかりの逆質問が返ってきます。要するに分かったふりをするのではなく、何が分かり、何があいまいで、何が分かっていないのか質問することで明確化をする必要があるということです。

日本では、この風習はあまりなく、あれやこれやと質問すると、ちょっと異常なように感じますね。しかし、この習慣を身に着けることで、予想以上に仕事がスムーズになります。実際にさまざまなビジネス書にも、「質問はタダ」「聞くことで時間短縮」など、質問の重要性が書かれています。

しかし、なかなか実行に移せていない方も多いように感じます。そんな中でも、仕事の生産性が高い、成績が良いなどで目立っている人をよく見ていると、必ず「質問」して物事を明確化していることがわかります。それは得点稼ぎでも何でもありません。その人は、質問することで不明点や疑問点を解消し、効率よく仕事に取り組めているのです。ぜひ、質問することを怖がらず、仕事に取り入れていきたいですね。

「質問」しすぎはNG

また質問するというと、何でもかんでも「質問」する方もいます。しかし、それは考えもの。自分で考えることも大切です。そういうと矛盾しているように聞こえますが、同じ質問を何回も繰り返さないことが大切です。質問をするために質問をするのではなく、不明点や疑問点を解消するという目的達成の「手段」として質問を活用しましょう。

「質問」は生産性を上げる良い手段であり、時間短縮にもつながりますが、その分自分だけではなく、質問を投げかける相手の時間を使っているという自覚も必要です。いくら質問が大切とはいえ、何度も同じ質問を繰り返す、少し考えればわかるような質問を繰り返してしまっては、相手に不快感を与えてしまいます。

しかし、その境界線がどこなのかは、人によって違うもの。そして、言葉で表現しにくいものです。質問する習慣をつけ、何度も成功と失敗を重ねることで境界線が分かってくるものです。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね!

スキルを身に着けるのも「質問」から

一緒に仕事をしている仲間の中で、「なんで、この方はこんなに仕事ができるんだろう」と思ったことはありませんか?また「どうやったらこの人のようになれるのだろう」とあこがれを持つ方がいる方もいるでしょう。

そんな時は、絶好の「質問」のチャンスです。相手を自分のスキルを磨くいわば「教材」としてしまうのです。「なんで?どうして?」と質問をしていきましょう。そうすることで、相手のスキルを自分のものにしつつ、質問することの楽しさも学べますよ。

おまけ

日本の常識は世界の非常識とはよくいったものですが、我々日本人は海外から学ぶべき部分が多々あります。

イギリスの会社に勤めていた頃、「質問」についてだけではなく、「時間」についての意識もずいぶん異なることに驚いたことがあります。日本人から見ると海外の方は「時間にルーズ」と映る場面も少なくありません。一方、海外から見た日本人は「時間にきっちりしている」イメージがあります。日本の電車やバスがきっちり時間通りに来ることから、そのようなイメージを抱く方が多いようです。

しかし、仕事時間のことになると、日本人は時間にルーズと思われがちです。なぜなら、日本人はいつまでも残業をしているから。

イギリスの会社では、会議をおこなう際、きっちり決まった時間に始まります。これは日本も同じですね。違うのは終わる時間です。イギリスでは決めた時間にきっちり終了します。

しかし、日本では終了の時間があやふやになりがちです。日本の会議は、とにかくダラダラと、いつまでも続いていきます。そして終業時間ですらあやふやになることが多いのです。一方イギリスでは、終業時間が1分でも過ぎれば仕事はしません。

それほど、仕事の時間がきっちり時間通りなのです。とはいえ、そんなイギリス人もプライベートでは時間にはルーズぎみ。待ち合わせの時間通りに集合することはほぼありません。プライベートと仕事との区別がはっきりしているのです。

生産性を上げるためにも、時間の使い方を上手にするためにも、このような海外の良いところはどんどん取り入れていきたいですね。

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